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赤   痢
Dysentery


赤痢(細菌性赤痢)は世界中に広く分布する細菌性の感染症です。

1 病原体

 赤痢菌はシゲラ(Shigella)属と呼ばれる腸内細菌で、病原性の最も強い順にShigella dysenteriae, S.flexneri, S.boydii, S.sonnei の4種に分かれています。

2 感染様式

 赤痢菌に汚染された水・氷・食品などを摂取することにより感染しますが、非常に少ない菌量でも感染することから、食器や箸などを介して感染することもあります。

3 症状

 1〜5日、通常1〜3日の潜伏期間(摂取する菌の量が多ければ数時間でも発病します)の後、下痢、発熱、腹痛などが起こります。菌の種類によって症状に軽重があり、最も病原性の強いShigella dysenteriae(志賀菌)では,腸内からの出血によって血便がみられ、しぶり腹(トイレにいった後でもすっきりせず、またトイレに行きたくなる状態)があらわれることがありますが、他の3種の赤痢菌では血便をみることはほとんどありません。特に S. sonnei では症状が軽く、軟便程度で発熱もないか、あっても微熱程度しかみられません。

 現在の日本では、最も重い赤痢でも死亡することは極めてまれです。

4 治療方法

 抗生物質などを投与し下痢や発熱が激しければ、症状に見合った治療を行います。

5 予防方法

 赤痢は世界中どこでもみられる感染症で、特に衛生状態の悪い国に多くみられます。そういった国では、生水、氷、生ものは避けることが、重要な予防方法となります。屋台のヨーグルト飲料や氷で感染した例も報告されていますので、不衛生な飲食店、屋台などでの飲食も避けましょう。

 健康であれば人間には基礎的な抵抗力がありますので、少々病原体が体内に侵入しても発病することは少ないので、無理な旅行日程などによって体調を崩すことがないよう心掛けることも大切です。


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